[本文1122]【仲城間切屋宜村の寡婦蒲戸、貞節にして孝なり。】屋宜村の松照屋の妻は、名を蒲戸と曰ふ。一男一女を生みて、其の夫先に亡す。時に二十五歳にして、其の色未だ衰へず。人争ひて婚を求め、父母も亦奪ひて嫁せしめんと欲すれども、固く執りて従はず。今貞節身を持し、勤倹家を保ち、舅姑を奉養し、死するに及びて厚く葬る。今に至るまで祭を豊かにして、孝心猶厚し。且隣里と和睦す。