[本文1124]【仲城間切伊舎堂村の島袋、一たび父に売られ、自ら贖ひて親を養ふ。】伊舎堂村の島袋、十七歳の時、始めて父に売らる。家主、其の力を竭すを賞し、暇を給すること、毎日半朝なり。私に牛馬を畜ひ、竟に藩息を致し、以て贖ひて家に回り、親を養ふ。二十四歳の時、意はざるに連年歳凶にして、多く貢賦を欠く。又売られ、愈々力を家主に竭す。主も亦暇を給すること前主の如し。便ち耕種に務め、五年ならずして復贖ふ。其の妻は後主の奴に係る。亦以て之れを贖ふ。夫妻倶に孝行有りて、宗族に和し、郷里に睦ぶ。