[本文1154]【牧志村高良筑登之親雲上を奨して、特に座敷位并びに孝徳忠勲の四字(此の類の大字は俗に掛床と叫ぶ)及び物件を賜ふ。】真和志郡牧志村の高良筑登之親雲上は、賦性純厚にして、事を行ふに勤慎なり。常に心力を尽して、能く父母を養ひ、遂に孝を以て外に聞ゆ。他郷の人民に至りても、亦観感して興起する者衆し。且、凡村事を挙げて大小を論ぜず、遠く慮り、近く察し、村の便利有る者の如きは、之れを教へ之れを勧め、以て励勉し、村をして利を得しむる有り。此れ其の孝は則ち教化の肋を致し、其の教は則ち利民の政を補す。良に嘉奨すべし。是を以て特に直ちに座敷位に陞せ、之れに加ふるに孝徳忠勲の四字の掛床一張・糸綿二把・先島拾三升紋布二端を賜ふ。