[本文1189]【冊使、天后宮を姑米島に建つ。】封舟姑米山に在りて破壊するの時、通船幸に菩薩の霊佑に頼りて、以て活命するを得たり。菩薩の霊、往往にして危険の際に於て救難済生すること窮り無きを知るべし。故に中国各処、皆祭祀す。今夫の真謝港は、羣舶出入の洋なり。吾、彼の処に於て天后宮を建立して、以て救生の徳に酬いんと欲す。国王も亦捨銀して、共に神宮を建つるを望む等の因、二冊使、既に之れを王に達して又工費銀一百二十両及び字対聯二を以て、之れに付送す。其の副使の内司九人も亦銀三十七両二銭を送助す。王、己卯の年に於て、命じて天后宮を姑米山に建つ。而して其の神像は、之れをメに購ひ、是の年十二月初一日、其の宮に安奉す。