[本文1241]【十六年春二月二十九日、美里郡渡口村を加那波川原に遷すを准す。】渡口村は原来生歯繁らず、人屋常に勁風に吹き損ぜられて未だ修造を免れず。村を囲むの群樹は茂栄するを見ず。且井は遠処に在りて、甚だ不便に属す。夫の加那波川原は、井、近処に在り。且村水田地に流入して、耕種に利有り。又風の患無く、風水も甚だ善し。故に其の請ふ所を准し、之れを加那波川原に遷す。