[本文1253]【冬十一月二十三日、宮古・八重山惣横目役に俸各々五石を賜ふことを准定す。】宮古・八重山両島は、諸凡の上納、百姓と対算するに清ならず、以て百姓の窘困を致す。此れに因り、曾て已に毎島各々惣横目二人(夫六人を給し、俸米有ること無し)を立て、之れをして稽察せしむるも、尚未だ其の効を見ず。然る所以の者は、致仕の老人之れを掌るの故に由る。且近年に至り、出米出銀を加輸し、百姓極めて困窮に至る。若し人を択びて、授職給俸して之れを百姓に勧むるに非されば、旧に依り困窮するを免れず等の由、御検使詳請す。故に其の請ふ所を准し、俸各々五石を賜ひ、其れをして二年を隔てて上国し、以て島内百務の善否を報ぜしむ。若し果して功有らば、之れを挙げて直ちに頭役と為す。且其の職交代の時は、首里大屋子、与人の内、有能者を選びて授く。