［本文1316］【十二月十八日、与那嶺筑登之親雲上、請ひて貢船併びに槓を堅くし、以て公費を省くを褒奨す。】那覇西村の前任接貢船戸与那嶺筑登之親雲上は、乾隆三十四年、接貢船を造るの時、其の意見に准じ、造船場に在りて、火を用て船をるに、其の船、堅緻にして泄漏有る無し。亦三十六年、接貢船を造るの時、与那嶺、経に請ひて竜骨（俗に添と呼ぶ）を補添す。是を以て、風を衝き波に敵して流落せず、能く駛走の宣しきを得たり。又楫桿有り。原、一次を用ふ。与那嶺火を用て之れをり、不熬の猪油を用て之れに塗る。是を以て二次を用ふるを得たり。又頂帆は下布十一端を用ひて之れを造り、一次を用ひ得たり。請ひて下布十一端を領し、自ら久普呂色に染めて之れを用ふ。二次を用ひ得るの時に至りても、只二端を領して以て修葺を致す。中華に赴く毎に、布九端を省き、永く公費を省く。此れに因りて、掌管各役、由を備へて詳請す。故に上布二疋を賞賜す。