[本文1368]【十一月三十日、具志川郡総地頭職の、郡に直して事を弁ずるを免ず。】具志川郡の百姓極めて疲れ、風俗も亦悪し。上届午年に于て、総地頭をして郡民を教正せしむ。今尚其の郡に直して、細に教示を加ふ。此れに因りて、風俗漸く改り、百姓深く教令に従ふ。励精、力を勤め、貢税年を逐ひて加納す。今其の農事に進むること、已に此くの如くなれば、則ち嗣後、愈々励み、愈々勤むること知るべし。前に欠滞する所の貢税に至りても、応に其の数を分ち、以て年納せしむべし。又随ひて総地頭の郡に直して事を弁ずるを免ず。