[本文1411]【閏四月朔日、始めて、平等方大屋子見習一員を設建す。】平等方授くる所の科律は、尚未だ全くは備はらず。今有る所の律条を以てしては、全く罪を議し難し。其れ平等の務たるや、諸書を検見して、多く結案を得。度量人に過ぐる者と雖も、亦寛く諸書を閲する者に非されば、固より以て弁じ難し。奈何んせん、世上其の職に志す者寡し。現任の人役、交代退役せば、則ち之れを如何にして公務を弁理せんや。有る所の平等側等、宜しく任に勝ふるの人を選びて以て挙薦を為すべし。此れに因りて議し得たり、未だ科律に編入せざるの各条は、以て編補せざる可からずと。但、現任人等、判断審案し、兼ねて以て律条を編修すること能はず。請ふ、大屋子見習両人を設け、其の能く律書を習ひ、能く審問議罪を為す者を将て、大屋子に選挙せんと。各々情愿に随ひて、功を考へ挙用すれば、則ち必ず毎事精熟し、各々其の閑を得ん。律条を彙纂するに至りても、亦日を指して全備すべし。以て規模を設建するの効を得て、而して世上に在りても励精せざる無きを庶ふ。平等之側・吟味役等、朝廷に禀明す。法司議の如く具奏して以て設建す。