[本文1469]【十月十日、八重山島に沛雨殷雷あり。】此の日下雨し、雷大いに響く。本島新川村に伊原間の次子宮平有り。翌朝、其の宅内北隅、家を離るる十間余に楢那樹有りて、繋置せる十斤許りの豚一口の斃死するを看見す。其の背毛焼け、其の楢枝折れ、且近辺六尺方許りに至り、草も亦焼枯す。此れ是を以て雷落と為し、宮平即ち各役に報明す。随ひて已に査見するに別に奇事無し。