[本文1511]【[尚瀕王]即位元年(大清嘉慶九年甲子なり)。本年、琉球館駅火を失して延焼す。】元年甲子正月初九夜、柔遠駅楼既に庁堂より失火し、防ぐも而も能くせず。遂に楼屋及び有る所の天后神・土地神併びに先人の神主を焼く。此の時、接貢船水梢蒲戸仲村渠も亦焼死を致す。随ひて旧に仍りて起蓋するを請ふ。業に海防官の批を蒙る、館を焼くは外より延焼するに非ず、使臣等慎まざるの致す所に因れば、則ち其の願を准し難しと雖も、然れども琉球は天朝憐恤の国に係る。是を以て其の請ふ所を准すと。本年十月、旧に仍りて成を告ぐ。