[本文1526]【本年九月初一日、八重山島高那与人の功労を褒賞して爵位を頒賜す。】八重山島高那村は先年の疫癘饑饉以来、諸貢弁じ難く、年貢米七十一石三斗及び御用意出銭代米三石二斗共計七十四石五斗を挽欠し、逋欠積畳す。上届申年に至り、幸に其の人高那与人に充つるに因り、故に目差・筆者及び百姓人等と確議し、其れをして捨つる所の田畝を開墾せしめ、又農業併びに諸貢の事を教示す。是を以て毎年の貢賦及び御用布・御用物、敢へて逋欠せず。又前文の欠く所の七十四石余の貢賦も亦去年に至りて全納す。又年貢併びに私用米に至りても亦五十石を納過す。且本所の百姓は赤子を保養するに宜しからず。幸に其の与人の叮嚀に子を養ふの法を教ふるに頼り、上届酉年より以て子年に至るまで、子二十人を生みて以て繁栄を致す。其の功凡ならず等の由、本島在番・頭目呈報して前み来る。其の人公務の詮有り、且赤子を保はざるの俗を改めて永く繁栄を致し、其の功小ならず。是を以て越階して座敷位を賞賜す。