[本文1530]【本年十二月二十七日、雷、美里郡知花村の渡登江野比の家屋に震ふ。】此の日申の終刻、大雨降り下り鳴神の響有り。遂に本郡知花村渡登江野比の家中に火烟紛々たり。偶々其の大家の棟頭より初めて火の燃ゆること有るに因り、故に人々相集りて以て其の火を収む。但周囲一尺許り已に焼破する有り。又家中に於て廂柱より以て庁桁に至るまで処々打破して其の跡有り。是れに由りて雷公の震落を曉り得たり。