[本文1531]【三年正月十九日、内金城村木氏親泊筑登之親雲上等を褒奨して爵位を頒賜す。】内金城村木氏嫡子親泊筑登之親雲上元正・次男親泊筑登之親雲上元智・斉氏次男上地筑登之親雲上完正等は、生涯を過す為に、野荘を大里郡湧稲国村地方に構へ、多年稼穡を為し農業に暁得して家資漸く富む。近辺の荘居人等並びに本村民人に至るまで、亦尽く農業の法を教へ、屡々薯蔓を給し、並びに東作播植の時、其の種を欠く者には、価を寛くして給借し、其の時を失はず、其の成熟を待ちて以て其の価を納めしむ。村中並びに廬住人等に至るまで亦利便を得。且上届子年疱瘡時行するのとき、困窮して療治の用を欠く者五十三家有り。該三人各家毎に米四升五合を発給す。先年疫癘疱瘡流行に至りても、亦許多の人数に日用物件を救給す。且平常、病人及び子を生むの時も、亦大米・豆醤・f菜等の件を送給す。此くの如く救助活命するの処、茲に逢ふの人等呈詳し、五甲印結を加具して前み来る。不凡の者に属すと議し得て、各々爵位を賞賜す。