[本文1553]【本年、八重山高那与人の功労を褒奨して爵位を賞賜す。】八重山高那与人、指揮宜しきを得、百姓感服して農に勤めて怠らず、諸凡の貢賦投納して滞る無し。或いは他村に欠賦有れば則ち之れを補納す。但に此れのみならず、其の平得目差役に任ずるの時、其の村疲苦し、其の蔵筆者を勤むるの時、真栄里村も亦已に疲を極め、貢を欠き賦を滞るの中に、又其の村の与人身故す。此れより教示厳ならず、愈々以て疲を増す。是に于て該高那をして本職を勤むるの外、両村を指教せしむ。該村の百姓、厚く其の教を信じ、力を農業に竭して未だ曾て怠慢せず。且該高那、着令して荒田を墾開し及び諸上木を栽種せしめて多く利益を為し、欠く所の貢賦及び私の負債、倶に已に償清し、疲民色を起す。誠に凡ならざるの績に属す。乞ふ、褒奨を斟酌せよ等の因、在番・頭目朝廷に禀明す。随ひて座敷位を賞賜して以て其の功を表す。