[本文1561]【本年十二月十一日、大里駅を手田川原に遷すを准す。】大里郡駅は、原来茅を以て起蓋す。今、其の損壊極めて大なるの故を以て、瓦を以て改め蓋かんとし、之れが備置を為す。但今該駅は構へて南風原村の東方に在れば、則ち特に道路の宜しからざるのみならず、而も毒蛇の害に逢ふ者多く之れ有り。甚だ是れ駅籍に堪へず。是れに由りて其の籍を遷さんと欲し、地理師に請ひて其の風水を見せしむ。即ち説くらく、今、駅構ふ所の地は風水善からず。而して南方の手田川原は地理是れ善し等語と。査するに、該手田川原は、最も是れ郡中諸事の便を得。請ふ、駅籍を該処に遷すを准せ等の由、酋長呈文し、検者・地理師・両惣地頭・田地奉行等印結を加具して前み来る。随即允す。