[本文1590]【十五年、八重山島崎枝村与人の功労を褒嘉して爵位を賞賜す。】八重山島は、原来造船踈略にして、精しくは其の式様を知らず。崎枝村与人は祖父以来世々造船の法を伝ふるに因り、意、其の効を顕はし精しく其の法を習はしめんと欲し、船身大小の式様を画き成し、尺寸の度を記定して、以て惣大工に授く。、且与那国島は、原来船匠在ること有る無し。又自ら資財を捐し、該島に前み赴き、六端帆以下の船隻の式様を図成し、尺寸の度を記定して以て伝授を致す。更に躬ら船一隻を造りて以て其の法を観習せしむ。此れより以後、該島人自ら船隻を造りて、以て航海の用と為す。益を本島に貽す者小からず。伏して乞ふ、功を酌みて褒賞せよ等の由、与人呈文し、在番・頭目印結を加具して朝廷に具禀す。随即勢頭座敷位を賞賜す。