[本文1616]【本年、北谷郡に新に石橋三座を設く。】北谷郡の城橋・池城橋は、従来架するに松坂を以てす。朽壊甚だ早く、以て人馬往還の妨を致す。又佐阿天川は、満潮の時往来通じ難く、暴雨の時流水急猛にして、人馬を溺斃するもの蓋し亦多し。此の三処は、最も宜しく石矼を築設すべし。然れども全郡の財を以てしては三橋の費を備ふる能はず。茲に新家譜泊村知念筑登之親雲上・汀志良次村安次嶺筑登之親雲上・渡地村照屋筑登之親雲上・内金城村新垣筑登之親雲上の母・西村比嘉筑登之親雲上の母等五有あり。朝廷に各自資を捐して以て架矼の需に備ふるを禀明す。随即允す。向氏奥浜親雲上期常・武氏長嶺親雲上崇宣の二員をして其の督官に充て石橋を築架せしむ。