[本文1626]【本年、玉城郡前の地頭代富名腰村の仲栄真親雲上等の功労を褒嘉して、各々爵位を賜ふ。】玉城郡富名腰村の大田原・佐宇次原・川田原に、稼穡の地共計八千四百八坪有り。原湿地に属して稼穡登らず。】上届卯年、前の地頭代富名腰村の仲栄真親雲上・前の夫地頭糸数村の知念親雲上・富名腰村の糸数筑登之親雲上等三人、田地官の主裁を請ひ、人民一十九名を率同して、自ら資財を捐し、新に其の地を墾して以て水田と為す。其の獲る所の米穀は共計七十石六升六合六勺六才起なり。原租を扣除するも已に多きこと産米六十四石一斗一升一合起なり。且其の新田の内三千一百九十二坪は、水源有ること無く、亦堤井一個長さ十五間・濶さ三間半・深さ六尺を鑿開す。時に厥の後より旱魃に逢ふと雖も、其の水を田中に汲入し、永く益を百姓に貽す。是に于て頭目・掟等呈文し、酋長・使者・両総地頭・田地奉行等印結を加具して朝廷に禀す。隊ひて各々爵位を賞して以て其の功を表す。