[本文1640]【二十三年丙戌、具志川郡川崎村の池原筑登之等の功労を褒嘉して各々爵位を賜ふ。】具志川郡宇堅村の伊知与久原に有る所の白洲に、水を導き田を開けば、則ち産利小ならず。是れに由りて、川崎村の池原筑登之・天願筑登之等十五名、上届辰年に於て、田地官の主裁を請ひ、自ら資斧を捐して、水田三千六百九十七坪を開墾す。産米を計るに一十一石七斗五升なり。天願川原に于て、大石を将て堤井長さ一十三間五合・広さ五尺・深さ一丈三尺を築き、井より田に至るまで、土を除き石を削りて水道長さ三百九十三間五合・深さ或いは一丈三尺或いは三尺を開疏し、内、大岩長さ九間・深さ一丈八尺を削除し、永く百姓の利益と為る。其の利を獲ること例に較べて少なしと雖も、資を捐すること甚だ多し。是に于て頭目・掟呈文し、酋長・検者・両惣地頭・田地奉行印結を加具して朝廷に禀明す。随ひて各々爵位を賜ふ。