［本文1679］【本年、羽地郡前の地頭代我部祖河村の川上親雲上等の善行を褒嘉して各中布を賜ふ。】本国、上届申年より亥年に至るまで、飢荒踵を接し、銅銭を奉借するの由を将て、国中に檄飭す。幸に羽地郡前の地頭代我部祖河村の川上親雲上・名護郡前の地頭代宇茂佐村の東江親雲上・夫地頭大兼久親雲上有り、銅銭各五千貫文を将て公家に奉借す。是れに由りて各中布三端を賜ふ。又大宜見郡前の地頭代塩屋村の山川親雲上・羽地郡前の夫地頭仲尾次村の仲尾親雲上・前の夫地頭呉我村の我部祖河親雲上・伊江島前の地頭代川平村の西江親雲上・前の地頭代東江村の西江親雲上、夫地頭並里親雲上・恩納郡富着村の金城筑登之親雲上・与那覇堂村の玉城筑登之親雲上・名護郡数久田村の玉城筑登之親雲上・宇茂佐村の山入端筑登之親雲上・恩納郡首村の島袋筑登之・羽地郡呉我村の石嶺筑登之・伊江島前の夫地頭西江村の並里筑登之、南風掟名嘉元仁屋・具志頭郡首村の仲間仁屋・羽地郡川上村の松真喜屋有りて、銅銭を奉借す。其の数、千貫文より四千貫文に至りて止む。是れに由りて各中布二端を賞賜して以て其の行を表す。