[本文1680]【本年、粟国島八重村の与那城筑登之等の善行を褒嘉して各々中布を賜ふ。】粟国島は、上届申年より亥年に至るまで、兇荒踵を接し、百姓等日食維れ難きの秋に在り。兼ぬるに疱瘡の時行を以てし、窮益々窮を添へ、已に飢餓に及ぶ。是れに由りて該島八重村の与那城筑登之等九名に着令して窮民を救賑せしむ。該与那城等、令に遵ひ、銭を給して以て残生を活す。其の数、千貫文より千八百九十貫文に至りて止む。是れに由りて各中布二端を賞賜して以て其の行を表す。