[本文1691]【本年、西原郡前の地頭代小波津村の掛福親雲上等の功を褒嘉して中布・爵位を賜ふ。】西原郡幸地村に有る所の旱田一万七千五百九十坪は、原湿地に属し、時に随ひて耕種するを得ず。前の地頭代小波津村の掛福親雲上、翁長村の与那城筑登之親雲上、首里大屋子外間筑登之、幸地掟大城仁屋、人民三十一名と同に、各自資を捐し、新に水田を掘る。獲る所の産米共に一百七十五石九斗余起、原産を扣除するも、已に一百五十三石六斗余起を加ふ。且村前に有る所の蔗場は、原、湿地に属し、黒糖得る所は、他に比して已に少なし。又承溝四個を決開し、其の下に堤井を鑿開し、四個の承溝より村落の膏水を注入し、永く百姓の為に照料す。是れに由りて掛福等を賞して中布各二端を賜ひ、三十一名を賞して爵位を賜ひ、以て其の功を表す。