[本文1708]【本年八月、sす。】是の年六月以来、旱魃ノを為す。八月初六日より以て初八日に至るまで、王城御火鉢前併びに諸嶽に于てイ告し、訖りて親方、官僚共に三七員を率同して拝す。且前御庭に在りて雨をイる。又聞得大君御殿御火鉢前に於てイ告し、訖りて親方、官僚共に三七員を率同して拝す。又三平等神宮に於てイ告し、訖りて親方、官僚共に七員を率同して雨をイる。又円覚寺に于て、禅家をして大盤若経を念じて雨をイらしめ、又護国寺に于て、聖家をして経を念じて雨をイらしむ。又竜王殿・天尊廟に于て、久米府の大夫をして官僚各共に七員を率同して三日斎宿して雨をイらしむ(始終の両日、法司官一員・申口一員・座敷一員・当一員・勢頭一員・里之子一員・筑登之一員の一共七員、往きて久米那覇の衆官と会し、一同に礼を行ふ)。又イ雨の初日に于て、久米・那覇官各一員及び衆官をして分ちて二隊と為らしめ、其の一隊は、則ち親方、官僚を率同して竜王を請じて久米の竜舟に駕し、往きて豊見城に至りて雨をイり、一隊は則ち法司官、官僚を率同して天尊廟に前み詣り雨をイる。又泊村併びに祝部・諸郡をして雨をイらしむ(此の時、紫官を戴く者は則ち改めて黄冠を戴き、紅冠を戴く者は則ち冠を除き只朝衣を著すのみ。イ雨の間、国中、屠宰を禁止す)。然れども尚雨ふらず。九月初三日に于て旧に照して再びsす。此の日未時、雨沢大いに降り、其のsを廃止す。