[本文1723]【本年、武弘毅谷村親雲上喜英等の志を褒嘉して中布を頒賜す。】前年、風旱相仍り、饑饉荐りに臻りて諸士・百姓倶に困窮に坐す。時に谷村親雲上有り、采邑の貧民に銅銭二千貫文を恵給す。又召承恩潮平親雲上嘉建、采邑の貧民に銅銭八百貫文を恵給す。又美里郡下知役東任沢知念里之子親雲上政行は、郡内饑民に大米十包を恵給す。而して郡民の富饒者も亦其の志に感じ、分に随ひて財を発し、以て饑餓を救ふ。又玉城郡大掟仲村筑登之、郡内の窮民に大米四石七斗九升七合五勺を恵給す。又本部郡備瀬村に寄居するの松高良は、原東風平郡外間村の人に係る。備瀬・小浜両村の饑民に銅銭千四百貫文・麦一石四斗を恵給す。是れに由りて中布各二端を賞賜して以て其の志を表す。