[本文1727]【本年、八重山島古見村の赤嶺筑登之の善行を褒嘉して以て爵位を賜ふ。】赤嶺の人と為りや、克く家道を治め、村人の法る所と為る。又本村の冶器損破して其の用に堪へざるを見て、新鉄五十斤・大米一石を給発して改造し、用に備へしむ。又海船多からざるに因り、三端帆船一隻を造設し、村に交給して以て物を運ぶに便せしむ。又凶荒の年に逢ふ毎に、貢賦を欠く者に大米を給発するもの共計八石七斗五升なり。又前年播く所の稲苗甚だ生長せず。該赤嶺、貯ふる所の稲穂一石五斗を給発し、再び播植を行はしむ。是れに由りて、該島在番・頭目等、褒賞を酌賜するを呈請し、法司王に奏して、黄冠位を賜ひて以て其の行を表す。