[本文1754]【本年、大里郡南風原村の又吉筑登之等の功を褒嘉して爵位を賜ふ。】大里郡南風原村前面の古川原の小矼は、水力甚だ強く、大雨に逢ふ毎に水に損壊せられ、修葺を行ふと雖も、永く保つを得ず。大水の時に当りては、人馬以て往還し難し。南風原村の又吉筑登之、村民十二人を率同し、田地官の主裁を請ひ、各自力役し併びに工費を補ひ、石を築きて矼を造ること計長さ五間・横二間、矼門の横六尺・高さ一丈二尺なり。且矼辺の西に達するの道路長さ二間・横八尺、東に達するの道路長さ十八間・横八尺、鋪くに礪石を以てし、永く往来の便と為る。是に於て、法司具題し、各爵位を賜ひて以て其の功を表す。