[本文1884]【本年、始めて宮古島の在番筆者、期を踰えて留任することを准す。】該島在番筆者、江徳功儀武筑登親雲上息統、例として応に明年期満ちて離任すべきも、惟ふに是れ該島有る所の杣山は近年以来甚だ憔悴に就き、該武、島に赴くの下、即ち杣山惣主取を兼任して、凡そ養林の事を将て、各其の法に依り善く指揮を加ヘ、更に松樹を栽植し、其の萌蘖の暢なること昔日に倍す。但々該武、本職の事務繁冗するに因り以て偏くは山林を管し難し。該管役等、其の法を学習するも猶及ばざる者有り。是に于て該島頭目、該儀武を将て、下届戌年に迄るまで本島に淹留し、親しく樹木を栽植して山林を生長せしめ、令禁を布施するを教ふる等の事を乞ひて呈称し、在番曁び筆者、印結を加具して朝廷に禀請する有り。法司王に奏して、焉れを允す。其の功に報ゆるの典に至りても、亦其の勤労を酌みて以て挙庸を行ふを准す。