[本文1942]【本年、麻文芳新嘉喜里之子親雲上真行を遣はし、太平山島に前み抵らしむ。】太平山島の吏役等、諸座の公項及び各村貯米に於て、収支度無く肆に行ひて民を虐ぐ。必ず須く委曲問察して以て其の弊を改むべし。且該島、年凶にして民饑う。朝廷、公米を賜借して以て人命を救はんとす。其の公米を各村に支給するの時に於て、国より坐監の人無かるべからず。島民の習俗に至りても、亦当に親しく査看を行ふべし。此れが為に特に文芳を遣はし、其の事を督理せしむ。十月十五日、宮古島に到り、翌年五月二十四日、回国す。