[本文1954]【本年、吉維謨佐久本親雲上孟伴の経伝を教授するの労を褒嘉して爵位を賜ふ。】吉維謨佐久本の、其の授くる所の役職に於けるや、功の旗すべき無し。但幼稚の時より経伝を攻習し、功成り抜萃せられて、西平等講解師に署任す。且多年各村の講解師に充てられ、心を用ひて教を加ふ。現今行年九十なるも、尚経伝を教へて毫も厭倦すること無し。誠に教化を補助する者と謂ぶべし。是れに由りて朝廷、申口座位を賞賜す。時に上諭有りて、吉維謨、年老い身衰へて以て歩行し難し。其の城に進みて恩を謝するの時、杖を携へ子孫の扶行することを恩准す。嗣後此くの如きの老人、城に進むの時、概ね此の例に照して遵行す。