[本文1961]【本年、八重山島の饑饉・疫癘に逢ふに因り、物件を賑賜す。】此の年、主上、摂政尚惇大里王子朝教を召し、諭して曰く、朕聞く、八重山島饑饉荐りに臻り、兼ぬるに疫癘の流行を以てし、島民人等、其の労苦を極むと。曷んぞ軫念の至りに勝へんや。卿宜しく法司と商議し、島民を賑恤して以て死亡を免れしむべし。此れを欽めと。遵即法司と相議し、諭旨を奏請して、黒糖三樽・焼酒五十盃入り中壷三個・大米八十石・硫セを賜ひ、併びに該島請ふ所の疫癘応用の薬種等の件を賜ふを准し、以て救恤を昭にす。