[本文1967]【本年、宮古島、熱病流行し、大風吹起り、地陥りて潮湧く。】此の年、宮古島、六月より以て十月に至るまで、熱病流行し、男女身故する者共計六百六十余人なり。又多良間島に、閏七月初二日より以て初四日に至るまで、狂風大いに起り、東作を吹損す。且十一月午刻より以て未刻に至るまで、大風吹起る。未だ幾ばくならざるに、大風又起り、人家及び諸木を吹倒し並びに人命を損す。且是の日未後、地陥りて潮湧く。島民驚怕し、岡に登りて之れを避く。幸に其の潮漸く退くに因り、倶に家に帰るを得たり等の由、該島員役等朝廷に報明す。