[本文2020]【本年、八重山島の真栄里、平得・新川・大濱・白保・桴海・平久保・川平・竹富・西表・登野城等の村の人民十六名を褒嘉して各爵位を賜ふ。】八重山島は、積年困疲し、人口・牛馬も前に比して減少す。而して疲村は牛馬尤も鮮くして、耕田の便を得ず。幸に各村人民十六名有りて、米麦・農器・牛馬等の項を動発して、疲村に分ち給し、以て耕耘の便と為さしむ。且該島人民は、長幼を論ぜず皆貢賦を受く。子、幼なるの時は、父、賠納を為して、其の労苦を極む。故を以て子を育する者少し。今、該十六名の内七名は、子の為に賠納するも、好生養育す等の由、検使向汝礪、朝廷に禀明す。是れに由りて各爵位を賜ひて以て褒典を示す。