[本文2043]【本年、八重山島石垣村の大浜筑登之を褒嘉して黄冠を賞賜す。】大浜は、世持職に任じて以来、凡事村民と相議して善く照料を為し、更に貢賦欠額者を憫み、大米一石六斗余を分ち給して、以て賦額を完うせしむ。且村民新に田畝を開くの時に、酒を買ふの価米・神酒等の件を給して、以て鼓舞を示す。且家貧にして牛馬を畜せざる者に於ては、与ふるに価米を以てす。但に此れのみならず、村の為に益を図ること少からず。伏して乞ふ、褒賞を酌賜せよ等の由、該島石垣村の百姓人等僉呈し、在番・頭目・吏役等印結を加具して朝廷に禀明す。是れに由りて黄冠を賞賜して以て褒典を示す。