[本文2103]【本年、小禄郡湖城村の上原・上原を褒嘉して各白棉布一端を賜ふ。】去年八月初四日大風の時、頭号貢船其れに艫を破られ、菩薩神像を飄失す。其の佐梢等遍く各処を撈すれども、尚下落無し。幸に上原等有りて、其の神像を救ひ、自己の家に奉安す等の由前み来る。即刻該家に到り、其の神像を奉じて、暫く上天后宮に遷し、以て神霊を安んず。伏して乞ふ、該上原等を将て褒賞を酌賜せよ等の由、舵工呈称し、員役曁び正・副貢使等印結を加具して朝廷に報明す。是れに由りて各白綿布一端を賜ひて以て褒典を示す。