[本文2113]【本年、八重山石垣村の新城筑登之を褒嘉して爵位を賞賜す。】八重山石垣村の新城は、上届亥年世持職に任ずるの時、男女を指揮し、既に農業を修め、復、公布を織りて、毫も怠慢すること無からしむ。又家貧にして貢賦を弁じ難き者四名を将て、己が家に修養し、貢賦を賠納す。其の年数を計るに、一名は三年、一名は六年、二名は七年なり。其の内二名は期功の親無きに因り、方二間の房屋一軒を造給して以て門戸を立つ。且名蔵田原に有る所の産米五包の荒田を将て、資を捐して墾し、給するに耕耘を施すの功を以てす。又村民のエム継ぎ難く曁び米麦粟の種無き者を見れば、即ち小麦九升・大麦八升・米一斗・粟三升曁び産米三包の地畝を給して、以て其の用に資す。但に此れのみならず、村の為に籌画して多く利益を貽し、百姓人等感慕せざるは莫し。伏して乞ふ、褒賞を酌賜せよ等の由、百姓僉呈し、胥役・検見役・在番・頭目等印結を加具して朝廷に禀明す。是れに由りて黄冠位に陞せて以て褒典を示す。