[本文2121]【本年、首里赤田村の益鴻基古波津子里起の祖母を賞して大米五石を賜ふ。】里起の祖母は、素より胎婦平産の法に長じ、首里曁び各処の人等、其の胎婦臨盆の時に逢へば、随ひて請ひ随ひて行き、平産を得しむ。難産を為す者と雖も、亦之れが調養を為し、平産を得しむる者已に多し。赤子の赤游丹の療治に至りても、原来知熟し、其の病を患ふ者有れば、随ひて邀へ随ひて往き、妥く療治を為して以て愈可を得。今行年已に八十歳に及ぶも、仍其の労を厭はず、多く人を危難の中に救ひ、甚だ世上の便と為る。是れに由りて朝廷、其の功を褒嘉して大米五石を賜ひ、以て恩典を示す。