［本文2155］【本年、首里・泊・那覇・久米村等の人民を褒嘉して、或いは譜代籍に陞せ、或いは新家譜を賜ふ。】本国、下届寅年、冊使臨国の大典有り。其の時天使を款待するの需甚だ浩繁に及び、経に百般営求すると雖も、而も多く不足有り。帑項極乏す。時に西村戴宏基伊差川筑登之親雲上士俊・大城筑登之親雲上の母・東村戴春芳伊差川筑登之士英・山城筑登之・我部筑登之の母、久米村孫受益宮城樽金調美の祖母・首里赤田村城間筑登之親雲上・照屋筑登之親雲上の祖母・若狭町村知念筑登之・泊村与那嶺筑登之・首里鳥小堀村玉那覇筑登之の祖母等有り。其の由を聞知し、各銅銭一十六万貫文を将て公家に奉借し、以て其の需を補ふ。是れに由りて朝廷、伊差川・伊差川・宮城の祖母等を賞して譜代籍に陞せ、大城の母・山城・我部の母・城間・照屋の祖母・知念・与那嶺・玉那覇の祖母等を賞して新家譜籍に陞せて、以て其の志を表す。