[本文2176]【本年、八重山島登野城村の上地を褒嘉して黄冠を賞賜す。】八重山島登野城村の上地、心を存すること素より善。村人と交はるに和睦を以てす。其の病に染む者有るに逢へば、即ち療治の需を給す。且世持職に任ずるの時、諸凡の事務、叮嚀に村中人等に教諭す。是れに由りて皆職業に励修し、有る所の貢賦倶に納清するを得たり。但に此れのみならず、本村の貢賦を調へ難きの時に逢へば、則ち布疋を進送して以て其の補を為し、甚だ村中の利益と為る。且其の行年已に七十七歳。是れに由りて朝廷、黄冠を賞賜して以て恩典を示す。