[本文2204]【本年、久米両郡に再び吏役を選び遣はす。】久米両郡は、其の困疲を極め、諸賦を挽欠<欠>す。更に土俗に至りても、亦頽靡に就く。上届卯年、高所・取納座役人の内より各一名を挙げ、職を帯びて郡に渡り、其の翌辰年、在番筆者を罷退するに因り、専ら在番人と協同して指揮を施行せしむ。時に厥の後より疲を変じて旺に就くの景有るを見る。上届酉年、該役人を以て之れを罷め、在番筆者を以て之れを補ひ、旧に照して管理す。但風俗亦悪に就き、曾て示すの条禁を将てしても、遵守有ること鮮し。仍りて在番筆者を罷退し、御用意筆者・高所・田地・取納座の役人の内より両人を選挙し、職を帯びて郡に渡り、二年駐して、在番人と協同し、指揮を施行せしむ。